私のこれまでの狭い見聞によると、
人間には大雑把に言って、3種類のタイプがあるようだ。
まず、全てのタイプに共通するのは、
皆、何らかのハンディキャップを背負っていること。
他人から見ると、何の不足もない、
羨ましい限りの人生のようでも、
どこかにマイナスの要素を抱えているのが普通だ。
しかし、そのハンディキャップを逆にバネにして、
大きな成果を生み出したり、目覚ましく成長したり、
素晴らしい幸せを掴んだりするタイプがいる。
例えば、歴史上の人物では精神分析の創始者、フロイト。
彼は不器用で、同時代に開発されていた催眠術による
ヒステリー治療法をうまく駆使できなかった。
その為、独自に「夢判断」や「自由連想法」による
治療法を編み出し、やがて精神分析学を大成させた。
ノーベル生理学・医学賞を受賞された
京都大学の山中伸弥教授も、そうだ。
整形外科の研修医としては手術が下手で、
“ジャマナカ(邪魔中)”などと呼ばれていた。
上手い医師なら20分位で済む手術に2時間も
かかったとか。
そこで研究者に転身し、
iPS細胞の研究で世界的な業績を生み出されている。
一方、そのハンディキャップ故に、自暴自棄になったり、
怠惰に流れたり、他人を恨んだりして、周りに迷惑をかけ、
自分も傷つけ、破滅の道に落ち込むパターンがある。
最後に、ハンディキャップを抱えつつ、
飛躍もしない代わりに、極端に堕落もしないで、
それなりに無難に世の中を渡っていくというケース。
この3類型だ。
これは、各人が抱えているハンディキャップの
種類や程度とは、ひとまず関係なく、分かれるようだ。
巨大なハンディキャップを背負いながら、
それを乗り越えて偉業を成し遂げたり、
ちっぽけなハンディキャップに躓いて人生を棒に振ったり。